ヨーロッパバックパッカー(ヴェネチア→ウィーン)
水の都ヴェネチアを堪能した私は、次の目的地を決めかねていた。
新しい国へ行くなら、北にはドイツ、東にはクロアチア、北東にはオーストリアがある。
今まで花の都パリ、水の都ヴェネチアと見てきたので、音楽の都ウィーンも見てみようか。
これを勝手に自分の中で三大都と名付けよう。
ということで私は、音楽の都ウィーンを目指して北東へ進んだ。
寝台列車を使うかどうか
この旅で再三私の頭を悩ませていたのがこの寝台列車についてだ。
ユーレイルパスを持っているのだが、寝台列車を予約すると寝台料として毎回20〜30ユーロ取られる。
宿への宿泊費と考えればそんなに値段に大差は無い。
ただ寝台列車に乗った次の日はどうも体が重い。
しかし、寝台列車は長い距離移動できる。
色々なことを試してみようということで、今回は朝発の通常の列車で移動してみることにした。
ウィーン到着は22時
ウィーンに列車が到着したのは 22時。
いつもそうだが、この時間から宿を探し始めると、言いようの無い緊張感がある。
この時間になると通行人の雰囲気も怪しくなる。
また、巨大なバックパックを持っているので、旅行者と簡単にばれてしまう。
悪人は常に旅行者を狙っているので、移動の時だけは警戒する。
街に着いて2日目以降は、宿にリュックを置いて移動できるので、そうなれば髭面、ニット棒にダボダボなスノーボードウェアを着たアジア人の私は、逆に充分怪しい部類の人達側に入れるので心配はいらない。
ウィーンで改めて感じる言葉の壁
ここウィーンがあるオーストリアの公用語はドイツ語。
片言の英語と、それよりちょっとマシなレベルのフランス語が武器の私にとっては、ポルトガルのリスボンに入った時と同じような言葉の壁に直面した。
ここで言語のルーツについて復習。
英語とドイツ語のルーツはゲルマン語。
フランス語・イタリア語・スペイン語(ポルトガル語)のルーツはラテン語。
正直私がリスボンに行った時は、言葉の壁を感じてはいたのだが、フランス語をある程度知っているというだけで、ポルトガル語の意味がなんとなく想像つく場面が多かった。
しかしここウィーンはちょっと違った。
ドイツ語と英語は同じゲルマン語をルーツとしているのだが、ドイツ語の字面を見ても全く意味を想像できない。
私の英語力の問題ももちろんあるのだが、フランス語とポルトガル語の近さと、英語とドイツ語の近さって全然違うのでは無いだろうか。
とにかく書いてある案内や看板の意味を想像すらできない。
ウィーン到着翌日の朝に広場のカフェに行ったのだが、この字面はウィーン名物のウインナーコーヒーだろうと思って注文した結果、ホットワインが出てきてしまうくらいである。
まぁ提供する方も提供する方で、どこに早朝からホットワインでほろ酔いしたいと思う人がいるのか。
言葉を話せると旅は楽しくなるとよく聞くが、それは事実である。
何か別世界に来てしまったかのような気持ちになった私は、ウィーンにいる間は不思議とコミュニケーションの窓を閉じがちにしてしまった。