パザパコンティニュエ

ヨーロッパバックパッカー記、介護、英検、住宅などの備忘録

ヨーロッパバックパッカー(ケルン③)

ユースホステルは自炊に限る

 

宿は幸いにも駅のすぐ側のユースホステルが見つかった。

キッチンで火も自由に使っていいところだった。

 

私のバックパックにはいつもパスタ麺500g程と、トマトのパスタソース瓶を入れており、火を使えるホステルに当たると、飽きずにこればかり食べていた。

 

これだけで多少バックパックは重くはなるのだが、一度食べるとなかなか病みつきになるもので、かつ、量も好きなだけ食べることができるだけに、とても重宝していた。

 

なによりヨーロッパのパスタ麺は安くて美味いのだ。

ケルン大聖堂で戦う前にユースホステルで大量のトマトパスタを平らげ、いざ目的地へと向かった。

 

ゴシック建築の大傑作「ケルン大聖堂

 

再びケルン大聖堂の前に戻ってきた。

 

腹が満たされた冷静な目で改めて見ると、とんでもなくでかい。

単に大きいだけでなく、細部の彫刻も信じられないくらい精密。

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写真を見ると、二つのとんがった塔になにやら昆虫の足のようにトゲトゲが付いているのが分かるだろうか。

このトゲトゲ一つ一つが彫刻であり、驚くのはこのトゲトゲ一つ一つにも、さらに小さなトゲトゲの彫刻が施されている。

人の目に触れないようなところにまで装飾がキッチリと施されているのである。

 

5ユーロ払うと500段の階段を登って頂上まで登れるのだが、そこから二つの塔を見て初めてこのトゲトゲの仕組みは見ることができる。

こんな限られた人しか見ることができない場所に、どれだけの労力をかけて彫刻を入れたのだろうか。

 

並々ならぬ職人魂と信仰心に頭が下がる。

 

やはりこの建築物は数多の職人の魂が詰まっている。

 

ケルン大聖堂はどこから見ても美しい

 

駅から出て見た時の横側からの圧倒的なスケール。

90度角度を変えて正面から見た時の重厚感。

ライン川の向こう岸から見た、橋、川、大聖堂の一体感。

そして夕暮れの景色に映える巨大なシルエット。

 

どこから見ても完璧な大聖堂だ。

 

私はこの旅で様々な国の聖堂、教会、城などの建築物を50近く見てきたが、間違いなくケルン大聖堂がナンバーワンである。

 

ちなみに、大聖堂付近でフランス人の小学生の集団が先生に引率されて歩いていた。

遠足か修学旅行なのだろうか。

どちらにしても海外旅行である。

日本の感覚からは信じられないなと、ヨーロッパの子供達が羨ましくなった。

 

久々の豪華ディナー

 

ケルン大聖堂に感動して気を良くした私は、久々に夕食を奮発しようと考えて、小さなレストランに入った。

 

頼んだものは決して豪華とは言えないサンドイッチとポテトのみだが、ドイツビールを頼んで出てきたのは、ケルンの地ビール「ケルシュビール」だった。

フルーティで爽やかなビールで、ケルン大聖堂のゴツゴツした雰囲気とは180度違うビールだったが、印象に残る味だった。

 

さぁ旅も終わりがいよいよ見えてきた。

ユーレイルパスを使って最後に行くところに決めたのはベルギーのブリュッセル

 

ワッフル、小便小僧、グランプラス。

そして…フランス語が通じる!

 

半年の独学で英検準1級(新形式)に合格した勉強法⑤-大問3対策-

英検準1級大問3の概要

英検準1級リーディングの大問3は、長文の内容一致選択問題です。

問題例

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選択肢例

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長文は全部で3つ。

それぞれの長文の長さは300字、400字、500字程度のものが出題されます。

問題は前半の2つの長文が3問、最後の長文のみ4問、合計10問出題されます。

 

英検準1級大問3の対策

長文を読むことに慣れる必要があるとよく言われますが、このブログで紹介している長文暗唱法をやっていればその必要はありません。

既に慣れているからです。

そもそも英語を読むことに苦労すると言われる長文を、自分で作る作業をずっとやっているんですからね。

長文暗唱法をしばらくやった後に、この英検準1級リーディング大問3を解いてみたらびっくりしますよ。

あぁ、英作文をしないんでいいんだ。

英文を読むだけでいいんだって気持ちに本当になりますからね。

 

ただ正答率が上がるテクニックが2つあるので、それだけは覚えておいてください。

 

英検準1級大問3を解くテクニック2つ

 1.段落ごとに問題が設定されていることを知る

問題の長文は大きく分けて3〜4段落で構成されています。

これに対して問題も3〜4つあります。

過去問を何度か解けばすぐ気付きますが、問題は各段落ごとに設定されています。

つまり、1段落目については1問目、2段落目については2問目、3段落目については3問目から馬鹿正直に出題されます。

 

2.選択肢は読まずに問題のみ先読みする

長文読解問題で問題文を先に読むことはとても重要です。

試験の問題形式によっては問題文だけではなく、4つの選択肢も先に見ておいた方がいいケースもあります。

しかし、この英検準1級では、問題文のみ確認すれば充分です。 

 

なぜ問題文だけ読めばいいのか。

 

前述したとおり、問題と段落の部分は一致しています。

1問目は1段落目から出題されます。

実は英検準1級リーディング大問3は、答えが書いてある段落が分かっているので、その段落の4〜5文の中から答えを探すだけの単純な作業だからです。

選択肢を先読みして誤認するくらいなら読まないほうがいいです。

選択肢4つを予め覚えてからじゃなきゃ解けないような問題ではありません。

 

英検準1級大問3の解き方実践例

まず英検準1級大問3を開いたら、問題文を見ましょう。 

ページトップの問題例を参考にします。

第1問「古代エジプト人のハチミツに関する考え方の一つは?」 

問題だけを見ればいいです。

その後の4つの選択肢は見ないようにしましょう。

余計な先入観が入ってしまって、長文を誤認する原因になってしまいます。

 

そして前述したとおり、この第1問の答えがあるのは第1段落です。

 

なので問題文の「古代エジプト人のハチミツに関する考え方」だけを意識して第1段落を読めば、答えは出てきます。

少なくとも、この辺に答えがあるなというのはすぐ分かります。

 

そして問題文に書かれている「古代エジプト人のハチミツに関する考え方」を長文の第1段落から読み取れたら、問題1の選択肢4つを見ていきます。

 

ここでの解き方もちょっとコツが必要です。

第1段落しか見ていないので、全く触れられていない話題が出てきた時に、実は第2段落で出てくるんじゃないかとちょっと不安になります。

しかしここは強い心を持って、自分が読んだ第1段落と関係ない選択肢は一旦無視します。

大体4つの選択肢を読めば「これだ!」という選択肢は見つかります。

消去法ではなく、バシッとハマるものが見つかるはずです。

 

ごくたまーーーに(過去問10回以上やって5%くらい) 長文全体について聞く問題も出ますが、数としては少ないので、こういう出題形式もあるんだと心に留めておくだけで充分でしょう。

 

英検準1級リーディング大問3のまとめ

  • 基本的には大問3も長文暗唱法でOK
  • 問題と段落の部分が一致していることを知る
  • 読む順番は問題→段落→選択肢

 

ヨーロッパバックパッカー(ウィーン→ケルン②)

3ユーロで寝台列車に乗車

 

ウィーンからケルンへ向かう際に、またしても夜行列車を使うべきかどうか悩んだ。

ユーレイルパスを使っているのに、夜行列車の寝台料金へ30ユーロ程度をかけるのが勿体無いからだ。

 

ウィーンの駅に行き、列車予約の案内を見てみると、あることに気づいた。

寝台列車の席予約の図の中に、ベッドの絵が付いたものと、付いていないものがある。

 

もしかして…

と思い窓口で、ベッドが付いていない方を指差して、こちらを予約したいと伝えてみた。

すると、請求された料金はたった3ユーロだった。

 

やはり!

 

寝台料金、つまりベッド付きの部屋を予約するかどうかはこちらが決めることができるのだ。

旅も後半戦に差し掛かり、金銭的にも厳しくなっていた私にとっては衝撃的な発見だった。

 

ただ不安がない訳でもない。

 

絵の通りに解釈すると、ベッドがないのでずっと席に座ってろということなのか。

 

12時間も。

 

周りに誰もいなかったら、地べたに這いつくばってでも眠る自信はあるのだが、いまいち勝手が分からない。

 

不安を抱えながら、寝台列車に乗った。

 

寝台席も座席もそんなに変わらない

 

ドキドキしながら列車に乗ると、日本の鉄道にもよくあるような、向かい合うボックスタイプの席だった。

4人分横並びになっている席が向かい合っているので、1ボックス8人定員で構成されている。

 

私のボックスには8人定員のうち4人が座り、お互いが正面にならないように気を使い合いながら座り、列車はケルンに向けて出発した。

 

夜も更けてきて、さぁリクライニングを倒して寝ようかなと考えていると、隣の黒人男性も同じようにリクライニングシートを倒そうとしていた。

 

ただボタンを押して倒すのではなく、立ち上がって両手を使って踏ん張り出したので、何をやっているのだと気になってマジマジと見ていた。

 

次の瞬間、座っていた席は太ももが当たる部分がすっと前に伸びてきて、席自体が完全にフラットになった。

 

黒人男性は慣れた手つきで向かいの空席も同じように伸ばした結果、2つの向かい合う席は完全にくっつき、長い一つのベッドに早変わりした。

 

何て素晴らしい仕組みだ。

 

完全に横になって寝られるなら、もう寝台席なんていらないじゃないか。

今まで毎回30ユーロ程度払ってきた寝台料に今更ながら後悔し始める。

 

いざ自分の席もやろうとしてみたものの非常に難しい。

困っていると、先ほどの黒人男性が手取り足取り教えてくれた。

 

お前もお金がないからこっちに来てるんだろ。

それなら席の傾け方ぐらいは覚えとかなきゃな。

次回からはお前一人でやるんだぞ。

 

と言わんばかりにとても丁寧に教えてくれた。

 

他の2名もそうだそうだと温かい目で見守りながら同意している。

 

寝台席を選ばなかった貧乏人同士で、そこには謎の一体感が生まれていた。

 

駅を出ると目の前にケルン大聖堂

 

早朝に列車はケルンに到着した。

 

何よりも空腹を解消したい私は、駅構内にあった小さなウインナー屋さんに駆け込んだ。

 

さすがドイツ。 

他の国ではマックやコンビニがあるべきところにウインナー屋さんがある。

ドイツで初めて食べたウインナーの味は格別なものだった。

 

そして嬉しい発見がもう一つあった。

ウィーンと比べて、案内標識などのドイツ語の下に、英語の併記が多いのである。

 

さすが先進国。これはとても助かる。

 

ウイーンで言葉の壁を感じて多少つまらない気持ちになっていたが、再び旅への意欲が燃えてくる。

 

さぁ宿を探してからゆっくりケルン大聖堂へ向かおうか。

そう考えながら駅を出た次の瞬間。

 

本当に駅の「目の前」にケルン大聖堂

 

近いことは分かっていたが、ここまで駅と歴史的建造物が近いことなんてあるのか。

 

いきなりすぎて言葉が出ないほど感動した。

 

しばらくその場に立ったまま圧倒された。

近くに寄ってみると、5ユーロで大聖堂の頂上まで登れるとの案内が書いてあった。

 

まずは宿を探して荷物を置いてから改めてじっくり大聖堂を堪能しようと考え、はやる気持ちを抑えながら宿探しへと出発した。

 

ヨーロッパバックパッカー(ウィーン→ケルン)

 ユーレイルパスの期限が近づく

 

ウィーンの次はどこに行こうかなと考えていると、ある事に気がついた。

22日間有効のユーレイルパスの期限が残り3日間に迫っていたのである。

 

期限を迎えた後は、長距離鉄道にかなりのお金を払わなくてはいけない事になる。

できれば期限を迎えた瞬間に、日本への帰国便の出発地であるフランスの近くにいたい。

これ以上東には行けないと判断し、ドイツ、ベルギーと一泊ずつしてフランスに戻る事にした。

 

ドイツ観光の候補

 

ドイツにはたくさんの観光地があり、どこに行こうか非常に迷う。

ユーレイルパスの期限の都合から、どこか1都市に1泊しかできない。

 

ミュンヘンの都会の街を楽しむ。

ベルリンで歴史のロマンに触れる。

バーデンバーデンで温泉に入る。

メルヘン街道で古城の風景を楽しむ。

 

たくさん行きたい都市がある中で、聖堂マニアの私が選んだのは、ケルンだった。

 

ヨーロッパの建築様式の基礎知識

 

ヨーロッパの教会、聖堂の建築様式について復習。

 

ヨーロッパの建築物を見る際に最低限知っておくべき知識は、ロマネスク建築ゴシック建築があるということ。

それぞれの様式にもタイプがたくさんあるので、知識で覚えるより実際の画像で雰囲気を掴んだ方が早い。

 

ロマネスク建築

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ゴシック建築

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ポイントをとても簡単にまとめると、

  • ロマネスク建築の方が古く、ゴシック建築の方が新しい
  • ゴシック建築は、構造を工夫することで細い柱で高い天井の実現に成功した

 

可愛い系はロマネスク、ゴツゴツ系はゴシックと覚えると覚えやすい。

ゴシック建築の天井が高いのも、ただ高さを競い合ったわけではなく、より神様がいる天に近いところに近づきたいというキリスト教の思想から来ている。

 

ちなみにこの2つの建築様式をいっぺんに見られる建物として有名なのが、フランスにあるシャルトル大聖堂だ。

 

シャルトル大聖堂

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この大聖堂は元々ロマネスク様式で造られたのだが、途中火災に遭い、再建築をゴシック建築で造ったため、写真向かって右がロマネスク建築様式、左がゴシック建築様式となっており、一つの建物に2つの建築様式が共存している。

 

この大聖堂は、青いステンドグラスがシャルトルブルーと呼ばれる独特の色合いを出しており、とても魅力的な大聖堂でもある。

 

目指すはケルン大聖堂

 

聖堂マニアの私は、特にゴシック建築が大好きだ。

 

高い天井や細かな装飾物などから作り手の様々な思いがビンビンと伝わってくるからだ。

そのゴシック建築の中でも世界最大の大きさを誇るのが、ドイツのケルン大聖堂である。

 

今のケルン大聖堂は実は3代目で、初代が完成したのは4世紀位まで遡る。

その後火災に遭ったりして、今の3代目の建設が始まったのは1248年。

戦争や宗教改革などがあり、大聖堂の全てが完成したのは1880年!

建設開始から600年以上経過していた。

 

ここも聖堂マニアにとっては堪らないポイント。

 

一体何千人何万人がこの聖堂の建築に関わったのだろう。

時代を超えたたくさんの人の思いが詰まった建築物なのである。

 

ちなみにこのケルン大聖堂は、第二次世界大戦で14発のミサイルの直撃弾を受けた。

しかし、ケルン大聖堂は崩れることはなかった。

 

私はこれは何万人もの魂が詰まった建築物だから倒れなかったのだと信じている。

 

熱く語ってしまったが、いざ目指すは世界最大のゴシック建築物、ケルン大聖堂

ヨーロッパバックパッカー(ウィーン②)

ネットカフェで誤魔化される

 

ウィーンで久々にネットカフェに入った。

 

ヨーロッパのネットカフェはパソコンだけではなくて、電話ブースがいくつか必ずセットになっており、ネットをやりに来る人もいれば、電話をかけるために利用する人もいる。

 

私も日本にいる知人に連絡を取ったりネットで最近の日本のニュース何かを見たりして、一通り満足して会計を迎えた時だった。

 

4ユーロの支払いに対して、私は10ユーロ札を出したのだが、お釣りとして帰ってきたのは1ユーロのコインだけだった。

いつもお釣りをそんなにチェックしていないのだが、たまたま気がついたので、若い店員の兄ちゃんに、おいおい足りないよとジェスチャーで示して見せた。

 

兄ちゃんの勘違いだろう。

 

最初はそう思っていたのだが、若い兄ちゃんが、俺は既にお前に払ったと私の財布を指差してジェスチャーで示してきたのを見て、故意にやっているなと悟った。

 

たまたまその時私の財布は空っぽだったため、財布を広げてひっくり返して見せて、両手を広げて、入ってないだろと日本語で言い返し続けたことで、ちゃんとお釣りを払ってくれた。

今までも気づかないだけでお釣りをちょろまかされていたことがあったかもなと反省した。

 

期待はずれのシェーンブルン宮殿

 

日中にウィーンの代表的な名所でもあるシェーンブルン宮殿へ足を運んでみた。

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観て回った私の感想は

 

「よく分からない」

 

もちろん贅を尽くした宮殿は圧倒的なものであるし、庭園はとても綺麗だったのだが、

 

「…で?」

 

という気持ちになってしまう。

 

もちろんこの国や宮殿の歴史を何も知らない私の無知さが原因なのだが、やはり自分で見たいとずっと思っていたものや、その歴史的背景を知っているものじゃないと心を揺さぶるような感動はしない。

これはフランスのルーブル美術館に行った時と同じ感覚だ。

 

旅というのものは、「ここに行きたい」という前提があって、「そのためにどう準備するか」という過程があって初めて楽しめるものである。

その前提、過程に手間をかければかけるほど感動も大きくなる。

旅を楽しめるかどうかは自分次第である。

 

オルゴールを回すおじさん

 

ネットカフェでトラブって、シェーンブルン宮殿は期待はずれで、良いこと無しだったのだが

、一つだけ感動したことがあった。

街で大きなオルゴールを回していたおじさんだ。

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音楽の都ウィーンの街の雰囲気にとてもマッチしていた。

私はこのヨーロッパで、物乞いやストリートパフォーマーを沢山見てきたのだが、彼らは皆自分のために、いわばお金のためにやっているという雰囲気が見て取れた。

 

しかしこのおじさんは違う。

この人がいることで、街の雰囲気がより良いものになっている。

 

ストリートパフォーマーとは本来こうあるべきだと再認識した。

 

私はこの旅で初めてストリートパフォーマー投げ銭を入れた。

 

ヨーロッパバックパッカー(ヴェネチア→ウィーン)

水の都ヴェネチアを堪能した私は、次の目的地を決めかねていた。

新しい国へ行くなら、北にはドイツ、東にはクロアチア、北東にはオーストリアがある。

今まで花の都パリ、水の都ヴェネチアと見てきたので、音楽の都ウィーンも見てみようか。 

これを勝手に自分の中で三大都と名付けよう。

 

ということで私は、音楽の都ウィーンを目指して北東へ進んだ。

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寝台列車を使うかどうか

 

この旅で再三私の頭を悩ませていたのがこの寝台列車についてだ。

ユーレイルパスを持っているのだが、寝台列車を予約すると寝台料として毎回20〜30ユーロ取られる。

宿への宿泊費と考えればそんなに値段に大差は無い。

ただ寝台列車に乗った次の日はどうも体が重い。

しかし、寝台列車は長い距離移動できる。

色々なことを試してみようということで、今回は朝発の通常の列車で移動してみることにした。

 

ウィーン到着は22時

 ウィーンに列車が到着したのは 22時。

いつもそうだが、この時間から宿を探し始めると、言いようの無い緊張感がある。

この時間になると通行人の雰囲気も怪しくなる。

また、巨大なバックパックを持っているので、旅行者と簡単にばれてしまう。

 

悪人は常に旅行者を狙っているので、移動の時だけは警戒する。

街に着いて2日目以降は、宿にリュックを置いて移動できるので、そうなれば髭面、ニット棒にダボダボなスノーボードウェアを着たアジア人の私は、逆に充分怪しい部類の人達側に入れるので心配はいらない。

 

ウィーンで改めて感じる言葉の壁

 

ここウィーンがあるオーストリアの公用語はドイツ語。

片言の英語と、それよりちょっとマシなレベルのフランス語が武器の私にとっては、ポルトガルリスボンに入った時と同じような言葉の壁に直面した。

 

ここで言語のルーツについて復習。

 

英語とドイツ語のルーツはゲルマン語。

フランス語・イタリア語・スペイン語(ポルトガル語)のルーツはラテン語

 

正直私がリスボンに行った時は、言葉の壁を感じてはいたのだが、フランス語をある程度知っているというだけで、ポルトガル語の意味がなんとなく想像つく場面が多かった。

 

しかしここウィーンはちょっと違った。

ドイツ語と英語は同じゲルマン語をルーツとしているのだが、ドイツ語の字面を見ても全く意味を想像できない。

 

私の英語力の問題ももちろんあるのだが、フランス語とポルトガル語の近さと、英語とドイツ語の近さって全然違うのでは無いだろうか。

 

とにかく書いてある案内や看板の意味を想像すらできない。

 

ウィーン到着翌日の朝に広場のカフェに行ったのだが、この字面はウィーン名物のウインナーコーヒーだろうと思って注文した結果、ホットワインが出てきてしまうくらいである。 

まぁ提供する方も提供する方で、どこに早朝からホットワインでほろ酔いしたいと思う人がいるのか。

 

言葉を話せると旅は楽しくなるとよく聞くが、それは事実である。

 

何か別世界に来てしまったかのような気持ちになった私は、ウィーンにいる間は不思議とコミュニケーションの窓を閉じがちにしてしまった。

  

ヨーロッパバックパッカー(パドヴァ→ヴェネチア)

安くヴェネチア行くならパドヴァで1泊

 

遂にフランスを離れて、最初に訪れたのはイタリアのパドヴァ

世界最古の植物園なんかがあり、観光都市としても魅力的な街である。

 

私の目的地はヴェネチアであったが、モンサンミッシェルの時と同じように、ヴェネチア周辺のホテルもまた価格が高い。

私が泊まれる位の値段のところまで離れると、ヴェネチアから鉄道で30分くらいの場所にあるこのパドヴァという街が丁度良かった。

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ユースホステルは綺麗で値段も20€もかからない。

ただ、他のユースホステル同様に市街地からは結構歩く。

 

街の景色に水や川が心なしか増えてきたことにヴェネチアが近づいていることを実感し、多少テンションが上がる。

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↑これもパドヴァヴェネチアと言ってもバレなさそう。。

 

 

水の都「ベニス」

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ヴェネチアに来て最初に思ったことは、

 

「観光客が沢山いる!」

 

夏のバカンスが終わってからクリスマスまでの期間は観光業界の一番のオフシーズン。

その真っ只中に旅行していたものだから、観光地じゃないところでは不安を覚えるくらい人がいないことがよくあった。

 

世界的にメジャーな観光地に来たこともあり、人の多さにテンションも上がる。

 

そして何より私を喜ばせたのは、ゲーム「トゥームレイダー」で見たヴェネチアの街と現実の街が瓜二つだったことだ。

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 迷路のような路地、網目状に敷き詰められた水路、キュービック状の石造りの家。
どこからかトゥームレイダーの主人公ララが飛び出してきそうな雰囲気がある。

 

満潮時、街の広場は沈む

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ヴェネチアの象徴でもあるサン・マルコ広場に行ってみた。

鳩だらけだ。

地面に落ちている何かを一生懸命啄ばんでいる。

そして広場はびしょ濡れ状態。

 

後から知ったのだが、この広場、時期によっては満潮時には海水に沈んでしまうらしい。

おそらく私が訪れた日の前日も沈んだのだろう。

海水が干上がった後に残った餌を、鳩が一生懸命食べているようだ。

 

ここヴェネチアは観光地として存在しているだけではなく、もちろんここに住んでいる人もいる。

1日約6万人の観光客が訪れるらしいが、住民の人数も同じ約6万人。

 

移動手段は徒歩か水路。島内は車禁止。

街の中心の広場はたまに沈む。

住民と同じ数の観光客が毎日訪れる。

 

文化の違いとは言葉で簡単に言えるが、ここに住んでいる人は毎日刺激的だろう。

 

車の音が一切聞こえない静かな水の都で、旅行の醍醐味を改めて実感した。