優良なグループホームの見抜き方
悪徳なグループールホームを見極めるのは困難
グループホームとは、認知症を患った高齢者が、専門のケアを受けながら住み慣れた地域で自己の尊厳を保ったまま生活できるようにと作られたサービスです。
認知症が重度化した際に利用を開始するため、入居している家族から施設に対する不満を聞いても、そのまま受け止めて良いものか判断できないケースが多くなるのもグループホームの難しいところです。
また、介護計画を作成するケアマネジャー(計画作成担当者)が人員基準要件となっており、施設内部にいるため、ケアマネジャーによる施設選択の厳しいチェックがおろそかになりやすい事も特徴です。
人員体制から優良なグループホーム見抜く
それでも優良なグループホームを見抜く方法はいくつかあります。
まずは人員体制から。
グループホームでは、利用者3人に対して1人の介護従業者が必要です。
この介護従業者というのは介護職員と看護職員の2職種を意味します。
つまり逆に言うと、全員介護職員であっても問題ありません。
介護職員は資格要件がありません。無資格の方がサービスを提供しているケースもよくあります。
優秀な人員を雇用できず、苦肉の策として短期間そのようになっている事業所もありますが、中には利用者ケアを軽視して、無資格者の介護職員を多数雇用しているグループホームもあります。
そもそも利用者ケアを真剣に考えた場合、介護従業者のうち少なくとも1名は看護職員を採用するはずです。
医療的な観点で利用者を診る事ができる人が居なければ不測の事態に対応できません。
連続無休で働き続けることも不可能なので、看護職員が2名いれば、毎日少なくとも1名看護職員を配置する事ができます。
グループホームを選ぶ際には、無資格の介護職員が多くないか、看護職員はいるか、いる場合は2人いるか、などを事前に調べればハズレを引く事は少なくなりそうです。
取得加算から優良なグループホームを見抜く
施設が算定している加算は、施設の運営の指針や方向性を示しやすいため、とても参考になります。
優良なグループホームを見抜くために参考になる加算を2つご紹介します。
サービス提供体制加算
この加算は1〜4の4種類あるのですが、できれば取っていてほしいのはサービス提供体制加算1とサービス提供体制加算2です。
- サービス提供体制加算1
介護職員のうち、60%以上が介護福祉士の資格を有している
- サービス提供体制加算2
介護職員のうち、50%以上が介護福祉士の資格を有している
つまり介護職員のレベルが高いですよという事を暗に言っている加算です。
サービス提供体制加算1を取れている施設は5割もないんじゃないでしょうか。
もしグループホームを選ぶ際にサービス提供体制加算1を算定している施設が見つかれば安心して利用できるかと思います。
介護の資格は様々な種類があり、保有資格に応じて手当を支給している会社は非常に多いです。
介護福祉士が沢山いるということは、それだけ人件費をかけていることを意味していますからね。
処遇改善加算
介護職員の業務や経験ごとの任用、昇任要件を就業規則等に定め、研修等を充実させる事で算定できる加算であり、給付された加算は介護職員の給与アップのためだけに使う必要があります。
主観ですが、全グループホームのうちおよそ80%以上の施設が算定していると思います。
この加算を算定していないという事は、つまり「我々の会社は職員を大切にしていません。就業規則や研修について少し考えるだけで介護職員の給与を上げる事ができるのに、面倒臭いんでやってません。」と宣言しているようなものです。
自社のヒトを大切にしない会社が、アカの他人の家族であるヒトを大切にできるでしょうか。
と、ちょっと精神論的になってしまいましたが、処遇改善加算を算定していないと介護職員の給与が低いため、平均勤続年数も短くなるはずです。
「家庭的な雰囲気で尊厳を保ちつつ生活をする」という事がグループホームの最大のテーマです。
入居者にとって、グループホームは医療機関でもなければ介護施設でもありません。
自分の家です。
介護職員は家族のような存在になります。
ヒトの入れ替わりが激しいという事はこの考えを根底から否定するものであり、利用者の環境面でのケアについてしっかりと考えていない証拠です。
まとめ
優良なグループホームを見抜くには、
- 介護従業者の中に看護職員が2名以上いるか
- サービス提供体制加算1または2を算定しているか
- 処遇改善加算を算定しているか
以上3点をチェックしてみてください。
それ以外にも見抜く術は沢山あるかと思いますので、いいアイディアがあれば是非教えてください。