ヨーロッパバックパッカー(ブリュッセル②)
ブリュッセルで楽しみにしていたものが3つあった。
1.ベルギーワッフル
ブリュッセルの街の中には、いたるところにワッフル屋さんがあった。
私はベルギーに実際に行くまで、ベルギーワッフルとは、ブルガリアヨーグルトのように日本の企業のマーケティング上の都合で付けられた名前であり、本国ベルギーでは実際誰も知らない類のものだと信じていた。
しかし実際行ってみると無数のワッフル屋さんがある。
例えばこんな丘の上にあるワゴン車タイプのワッフル屋さんなんかも、ベルギーの景色に溶け込み、とてもいい味を出している。
2.グランプラス
フランス語で「大きな広場」のことをグランプラスというのだが、もはやこの言葉は固有名詞化してしまっている。
それぐらい、グランプラスといえばブリュッセルのグランプラスが有名であり、世界一美しい広場とも言われている。
私がグランプラスに行ったのは12月の中旬。
広場は思いっきりクリスマスムードが漂っており、ブラスバンドが踊りながら音楽を奏でていた。
広場の美しさに合う素晴らしい雰囲気だった。
3.ジュリアンくん
ベルギーといえばやはりこれ。
ジュリアンくんことブリュッセルの小便小僧は、世界がっかり観光名所の常連でもあり、シンガポールのマーライオンと熾烈なトップ争いを繰り広げている。
起源とされているのは、爆弾の導火線におしっこをかけて火を消し、町を救ったジュリアンという少年の伝説。
世界各国に広まっている小便小僧像のルーツと言われている。
ジュリアンくんの像はグランプラスのすぐそばにあるため、噂は既に耳に入っていたものの、怖いもの見たさで行ってみた。
いた。
笑っている。
そして何より面白いのは、ジュリアンくんが世界がっかり名所になっている理由である。
小さい。
とても小さい。
その場にいた誰もが苦笑してしまうくらい小さいのである。
観光ガイドに載せるジュリアンくんの写真も、大きさが分かるように上の写真くらい引いて撮ってくれれば良いのに。
小さいながらニヤついて小便を垂れ流し続けているジュリアンくんの様子が何とも可笑しくて、私は彼のファンになった。
この旅で私は、観光地の記念品なんぞ滅多に買ってこなかったが、ジュリアンくんの頭に輪が付いた栓抜きを見た時は、思わず衝動買いしてしまった。
夜のグランプラス
夜になり、イルミネーションに照らされたグランプラスはどこかのテーマパークの中にいるように錯覚してしまうくらい完成度が高い広場となっていた。
私はもうジュリアンくん中毒者になっていたため、夜の彼の様子を確認せずには居られなかった。
いた。
相変わらず小さい。
いや昼よりも更に小さく見える。
もうちょっとライトで照らしてあげれば良いのに。
ほの暗い空間の中でより一層小さく見えるジュリアンくんは相変わらずニヤついていた。