ヨーロッパバックパッカー(エクサンプロバンス→ニース)
南国リゾート「ニース」
エクサンプロバンスから向かったのは南仏のリゾート地として有名な街、ニース。
12月なのにとても暖かく、半袖のシャツで丁度いいくらいだ。
スノーボードウェアを着て旅路を周っていた私にとっては暑すぎるくらいの街だった。
同じ海岸でもノルマンディの海岸とは気温も雰囲気も180度違う。
フランス人は皆、仕事を引退した後に南仏に移住するために頑張っているとどこかで聞いたことがあったが、なんとなくその意味が分かる。
道中で買ったパニーニを頬張りながらプチリゾート気分を味わった。
黒人の物売り
フランスでは、人が集まるところには必ず黒人の物売りがいる。
ニースの海岸の景色をまったりと楽しんでいると、腕時計を20〜30両手に抱えた厳つい黒人が話しかけてきた。
「ヤスイヨーヤスイヨーナカターイナモトー」
パリでもそうだったが、なぜか彼らは日本人サッカー選手の名前を連呼する。
でも確かに私もフランス人と話すときは、よくフランスのサッカー選手の名前を出したりするので、気持ちが分からないでもない。
昨日まで学生寮でたくさんフランス語を聞いていたことや、素敵な時間を邪魔された苛立ちもあり、私は自分でも驚くくらい自然にフランス語で話せた。
「申し訳ないけど、私は今お金ないんだ。他の日本人を探した方があなたのためだよ」
黒人の物売りはなぜフランス語を話せるんだと聞いてきたが、その返答を即座にフランス語でできるほどの実力はまだ無いため無視していると、諦めてそそくさと他の場所へと離れて行った。
これは良い方法だ。
彼らはお金を手に入れるために常にカモを探している。
そのカモとは、強引な押し売りに弱い日本人のことだ。
私は動じないよとフランス語で返してやればこんなに効果があることを知った。
今までは物売りにノーノーノー!と英語で返してたが、これからはフランス語で返そう。
フランス語のリスニングは本当に難しく、何を言ってるか聞き取れないことも多いけど、少なくともフランス語でお金がないと連呼すれば効果があるに違いない。
次はどこ行こうか
さて次の目的地はどこにしようか。
パリから反時計回りにグルッと周ってニースまで来た。
フランスをまだ楽しむなら内陸へと進むべきか。
それともここまで来たら、フランスを離れて東側の国へと進むべきか。
私の持っている航空券はフリー(帰国日が自由)だが、出発場所はフランスと決まっている。
それであれば最後にはフランスに戻ってくるのだから、もうちょっと冒険してみよう。
私はフランスを離れてイタリアに行くことにした。
イタリアのどの都市を目指そうか迷ったが、ヴェネチアに行くことに決めた。
決めた理由は何とも単純。
昔大好きだったプレイステーションのゲームソフト「トゥームレイダー」に出てきたヴェネチアの街がカッコよかったからだ。
南仏リゾートに後ろ髪を引かれながら、私はヴェネチアを目指すことにした。