半年の独学で英検準1級(新形式)に合格した勉強法②-長文暗唱法-
英検対策には、長文を暗記して音読する長文暗唱法がとても効果的です。
私が英検準1級に合格した時に実際に行っていた勉強法を記載します。
使用した参考書
旺文社から出版されている「文で覚える単熟語」という参考書です。
この参考書は、タイトルの通り英単語を覚えるための参考書なのですが、単語を覚えるにはやや語彙数が少ないため、受験者にもそこまで人気がある参考書ではありません。
しかし、やり方を変えると物凄く効果を発揮します。
長文暗唱法の概要
参考書「文で覚える単熟語」の中身はこんな感じです。
著作権保護のためピントをずらしています
左に英文、右に日本語訳がセットになった見開きが80セットあります。
1.自然、環境
2.医療、テクノロジー
3.文化、歴史
4.教育、心理
5.社会、ビジネス
各5つのテーマで16セットずつ、全体で80(=5×16)セットです。
この左ページの80の長文を全部覚えます。笑
とは言っても目を閉じでお経のように1ページ目から思い出して暗唱するわけではありません。
暗唱の前にやること
暗唱するだけでも十分効果的なのですが
是非先にやっていただきたいことがあります。
それは、付属のCDを使ってシャドーイングをすることです。
シャドーイングとは、CDの音声から1〜2秒遅らせて音読することです。
この時、参考書は一切見ないようにします。
なぜシャドーイングをするのか。
理由は、自分の成長を簡単に実感できるからです。
勉強は基本的には苦痛で、忍耐力のいる作業です。
英語学習はちょっとずつでもいいから毎日継続することが大事だとよく言われます。
少しでも自分を励ます要素があれば、勉強も長続きしやすくなります。
暗唱前シャドーイング
長文を暗記する前に行うシャドーイングは酷いものだと思います。
参考書を見る前にシャドーイングを行うので、本当に自分の中で聞き取れる英語しか理解できないので、何を言っているのかすら分からないと思います。
ただCDの音声に遅れて暗号を唱えているような感覚になります。
でも、最初はそれでいいです。
この目的は、自分のできないところを認識するのと、暗唱後にもう一度同じシャドーイングを行って、自分の成長を実感することなのです。
実際に長文を暗唱する
1ページまるまる暗記するのは最初は無理です。
(学習終盤にはできるようになります)
暗唱法は右ページの日本語訳を見ながら、左ページの英文を思い出すのですが、その時の自分のレベルに合わせて、例えば3文ずつ暗唱して答え合わせ、また次の3文ずつ暗唱して答え合わせなど、できる限りの暗唱をするだけでも十分です。
暗唱後シャドーイング
必ずそのセットの総仕上げとして、付属のCDでもう一度参考書を見ないでシャドーイングをしてください。
この時自分の耳の成長にびっくりします。
暗唱して覚えた文章はすんなりと耳に入ってきます。
この感動が学習継続の鍵となります。
また、自分の暗唱時にヘンなスピーキングのクセや発音ミスがあったら、この時に気づくこともできます。
長文暗唱法まとめ
この一連の流れを80番目まで繰り返し行います。
最後まで一通り終わったらまた最初から、次は5文ずつ覚えようといったように難易度を上げてください。
これを4〜5回やり切ると、大体の長文が頭に入ります。
全部は覚えていなくても、何か長文の法則のようなものを感じてきます。
このイントネーションの次にはこんなイントネーションが来るだとか、人名が出てきたらその後は〇〇大学〇〇学部だの注釈が入るなぁだとか。
この感覚は実際の英検準1級試験のリスニングで物凄く助けになります。
参考書「文で覚える単熟語」で学習するメリット
見開きで左ページに英文、右ページに日本語訳のセットになっている
ページが別れているので、暗唱時にうっかり左ページの答えを見てしまうことが少ないです。
私なんかはどうしても弱い人間なので、すぐ下などに解答がある過去問を解くときなんかは、隠してる手をチラッと動かして答えを見ちゃったりしますので、それを防いでくれました。
長文読解のみでは分からない自分の弱点が明確に分かる
長文暗唱を続けていくと、自分がいつも間違えるところが明らかになります。
私でしたら、had+過去分詞の過去完了形を使うところを、暗唱時にはいつも現在完了形で暗唱してしまっていました。
これで自分は過去完了形を使うタイミングを理解していないんだなということが分かり、過去完了形について自分の知識を整理する時間を設けることができました。
もし長文読解だけの勉強法をしていたなら、英語の答えが最初に明示されているわけですから、何の疑問も持たずに自分は分かっているんだと誤認していたと思います。
そしてその誤認は英検準1級試験では英作文で痛い目を見ることになります。
日本語訳が意訳ではなく直訳で書かれている
この参考書「文で覚える単熟語」は、著者の真意は不明ですが、日本語訳は可能な限り直訳で表現されています。
ちょっとヘンな日本語訳だなって思ってしまうぐらい語順などもそのまま英文に近づけています。
この学習法は、日本語訳とにらめっこしながら英文を思い出すので、その肝心の日本語訳が思いっきり意訳されてしまっていると、英語を思い出しにくくなります。
そのため、この参考書「文で覚える単熟語」は長文暗唱法にとても向いている参考書です。
音声CDが付いている
シャドーイングには必須です。
きれいな発音を身につけることができますし、前述したとおり、リスニングのコツも繰り返し長文暗唱+シャドーイングをすることで分かってきます。
同じ意味でも複数のフレーズを使ってくれている
例えば、この参考書「文で覚える単熟語」内では「最近」という日本語に対して、recently、in recent years、these daysなど様々な表現を用いてます。
あえていろいろな表現を使ってくれているので、覚えるフレーズも増えます。
これが英作文対策のみであれば、一番簡単なthese daysのみを覚えておけば良いのですが、リスニングではそうはいきません。
耳が認識できるあらゆるフレーズを増やしておくことが大切です。
この参考書「文で覚える単熟語」は、同じ意味でもあえてたくさんのフレーズを使ってくれているので、リスニング対策にも非常に力を発揮できます。
まとめ
英検準1級合格に向けた長文暗唱法
私はこの長文暗唱法をひたすら半年間やりました。
実際に私が半年間体験してみて、この長文暗唱法は、英語の総合力を高める、継続性があるという点においては、非常に効果的な勉強法だと実感しました。
英検準1級の受験をこれから検討される方、勉強法に行き詰まっている方へ是非オススメの学習法です。