肺ガンから転移した脳腫瘍に全脳放射治療法は効果がない
全脳放射には科学的根拠が証明されなかった
イギリスの医学雑誌ランセットが掲載した研究結果によると、肺ガンから転移した脳腫瘍に対する放射線治療、いわゆる全脳放射には効果がないことが発表された。
500人以上の患者の試験により、他の治療法と比較して、生命活動を延ばしたり改善したりする効果は見られなかった。
英国では一年におよそ45,000人以上が肺がんと診断されている。
肺ガンの第3ステージではガンは脳に転移する。
こうして発覚した脳腫瘍には、大抵、副作用の軽減のためにステロイドや他の治療とともに全脳放射が行われるのだが、それは深刻な吐き気や脱力感、神経系への影響を与える。
この研究結果によると、全脳放射から一週間経った患者を調査したところ改善は見られなかったという。
十分な話し合いの上、適切な治療法を
今まで全脳放射はガンをコントロールできるものとして利用されてきた。
ある医療機関は「私たちの肺がん治療院では、私たちが望んだような結果は全能治療からは得られなかった。」と言っている。
「更に、治療の有害性は相当なものであり、認知機能にまでダメージを与える。」とも言う。
ロンドン大学の医療調査機関によると、代替法として、非常に精密で副作用が少ない放射線治療法が望まれる。
しかし一方で全脳放射にはまだ検討の余地があるという科学者もいる。
医学雑誌ランセットはこう締めくくっている。
全脳放射を楽観的に考えるのではなく、もっと個々の戦略に基づいた治療が必要である。
すべての治療法は十分に患者と議論した上で行われるべきだ。
以上、bbcニュースより抜粋